• ご注文の手引き
  • 公式ブログ 森の恵み木酢ライフ
  • 木酢本舗のお得なお知らせメール
  • スマホ・タブレットの液晶保護ガラスコーティング剤 ぬってか・ピカグラス

森の恵み木酢ライフ

木酢液利用の歴史と現状

カテゴリー:木酢豆知識

 木酢液は木材を乾留(炭焼き)して得られますが、17世紀ごろのヨーロッパでは木材乾留工業として栄え、酢酸及びメタノール製造の原料として利用されておりました。19世紀になると、これらの成分が人工的に合成されるようになったため木材乾留工業は衰退していきました。現在では、ほとんどの国で木酢液は薫製品のための食品添加物(くん液)としての利用以外には利用されなくなってきております。
 一方、日本で木酢液が大量に利用されたのは日清日露戦争の時で、コルダイト火薬の原料とするため、炭焼きで得られる木酢液から酢酸石灰を製造、これを乾留することでアセトンを製造していました。その後、需要は多くありませんでしたが木酢液は酢酸鉄塩(染料)製造原料にも利用されるようになりました。このように、昔は木材(天然物)から様々な分野の化学製品を製造する木材化学工業が盛んに行われておりました。
 その後1940年から1960年代にかけ、限られた事例ではありますが、水田に木酢液を廃棄したところ、たまたま稲の生育が良くなったことから農業への利用の可能性の研究がスタートし、公的試験場も含め多くの実証実験が行われました。これらの試験から、病害虫防除や作物の生育及び品質の向上効果などが認められる報告も出されましたが、再現性の面など必ずしも効果が安定しているとは認められませんでした。さらに1950年代には防除効果がより的確で再現性のある合成農薬の導入により、作物栽培分野への用途開発は行われなくなりました。
 現在、木酢液の有機栽培での利用を薦める著書は多くありますが、木酢液自体の品質はまちまちであり、さらに作物保護分野での使用法など一定の基準は残念ながらありません。しかしながら、各種の木酢液は現在でも一部生産者で伝承的に使用されております。1973年には松根木酢液が殺菌剤として農薬登録されておりましたが現在では失効しております。

 今後、人にも環境にもやさしく、二酸化炭素削減(温暖化対策)にも貢献する木酢液のさらなる科学的アプローチが進む事を祈念いたします。

このページの先頭へ